フランス行きが決まったらすぐやっておきたいこと ~日本の学位の有効化~

フランスに住む
あおい
あおい

大学卒業できた~!

いつかマーケターとしてフランスで働いてみたいなぁ

こんな風に日本での学位取得後、将来的にフランスで就職、またはフランスの教育機関に入学することをなんとなーくでも考えている場合に前もって手続きしておくと便利かなと言う内容になります。また、フランスに行くことが決まった場合もなるべく早く手続きすることをお勧めします。

この記事はこんな人にお勧め!

  • 将来的にフランスで就職活動をする可能性がある人
  • 将来的にフランスの大学や大学院などに入学する可能性がある人
  • 将来的にフランスに住む可能性がある人

なぜ学位の有効化が必要か

就職活動において「○○大学出身」と言う肩書がものを言う日本とは異なり、フランスはどんな分野でどのレベルまで学修したかが重視されます。そのため日本でどんな分野を学んだかを証明できる書類があれば誤解を招くことなく就職活動ができます。また、私自身はまだ経験がないのですが、フランスの教育機関に入学する、フランスで職業訓練を受ける、と言った場合にも日本で取得した学位の証明を求められるケースがあるかと思われます。

他方で就職活動をする場合、必ず日本の学位の証明が求められるかと言うとそうではありません。実際のところ、レストランのサービス、企業の事務職、ホテルの受付など、就職の際に学位証明を求められない可能性が高い職種はいくつもあります。しかしながら、その反対に学位証明を求められる場合もあり、その際に提出できるものがないとせっかくの機会を逃してしまうことになります。後述しますがこちらの手続きには数か月を要するため、最悪その間就職活動が滞ってしまうなんてことにも考えられます。学位の有効化手続きはお金も時間もかかるので申請を躊躇してしまうかもしれませんが、それらの手間と安心を秤にかけ、安心が勝った場合、ぜひ早めに手続きしましょう😁

ではどうやって日本の学位を証明するのか、についてです。

答えはLe centre ENIC-NARIC France(エリック ナリック)という機関へオンラインで申請を行うことで日本のアカデミックな学位(高校、専門学校、大学、大学院など)を有効化できます。

この手続きは学位取得後、日本からでも申請可能です。また、申請から承認まで4~6か月かかるため早めに手続きをすることをお勧めします。また一度承認されれば生涯有効です。※有効化された学位はPDFデータとしてメール送付されるため受け取り時点で日本にいなくても大丈夫です。

※医師、看護師、弁護士などの一部の職業はProfession réglementéeと呼ばれ、これらの職業はフランスの国家試験を受けて職業免許を取得する必要があるため、原則としてLe centre ENIC-NARIC Franceでの学位の有効化ができません。Profession réglementéeに該当する職業は下記のサイトから確認できます。

Annuaire des activités et professions réglementées

必要書類

下記のサイトに必要書類、費用、審査期間などの概要が記載されています。

※費用は書類提出時の手数料が20ユーロ、書類審査後、有効化が認められた場合追加手数料100ユーロの合計120ユーロとなります(2025年1月現在)。

Comment demander une attestation

必要書類は以下の通りです。 ※オンラインでの提出となるのでいずれもスキャンしたPDFデータを用意します。

  1. 身分証明書(有効なパスポート、フランスの滞在許可証など※VISAは不可)
  2. オリジナルの言語で書かれた学位書(diplôme)※申請は最終学歴のものだけでOKです:学位書がない場合は学業を修めたことが記載された証明書(l’attestation de réussite)
  3. 在学期間が記載された公的書類
  4. 上記2&3の公的翻訳(effectuée par un traducteur assermenté ou par les autorités officielles du pays d’origine) ※英語で書かれたものがある場合翻訳不要

翻訳に関しては日本国内在住の場合は在日フランス大使館の翻訳者リストに記載されている翻訳機関へ、フランス在住の場合はフランス政府公認翻訳家へ翻訳依頼をします(その他の国に在住の場合は在住地のフランス大使館が公開している翻訳者リストを参照します)。

参考:在日フランス大使館翻訳者リスト

私の場合は既に申請した友人のアドバイスをもらい、大学の卒業証明書に学位、在学期間の記載があったため、大学作成の日本語のオリジナルと英語版を2,3の書類として提出しました(書類提出ページで同じものを2度登録しました。詳細は後述)。

申請方法

下記のサイトにアクセスします。※以下フランス語版のページになりますが、英語版への切り替えも可能です。

Le centre ENIC-NARIC France

申請するには「Deposer un dossier」のボタンをクリックします。

※スマートホンではなくPCからの申請が推奨されています。

次ののページには申請するにあたって確認する必要がある項目が記載されています。これらを確認したら同意事項にチェックを入れ「J’accepte」をクリック。

一番上の項目はデフォルトの「Particulier(個人)」を選択。その後個人情報を記載します。

記入後、記載したメールアドレス宛に申請用URLが送信されます。こちらのメールには合わせて申請番号も記載されています。

受信したメールアドレスを開き、申請用URLへアクセスします。申請番号、生年月日を入力して「Valider」をクリック。

必要事項を入力します。

Attestation demandéeの項目は、取得済み学位の有効化の場合は一番目の「Attestation de comparabilité」を選択します。その下の項目は7つのうち少なくとも1つを選択します。※こちらは学位の提出先や申請目的回答するためのものになります。就活のための場合「Recherche d’emploi」を選択し、希望職種を記載します。

次のページでは学位、学校情報、卒業年月などを記載します。

次のページでは書類をアップロードします。上から5つが必須項目になります。

  1. 身分証明書
  2. 学位(私は大学発行の卒業証明書日本語版を提出)
  3. 学位の公的翻訳(私は大学発行の卒業証明書英語版を提出)
  4. 在学期間の証明書類(私は大学発行の卒業証明書日本語版を提出)
  5. 4の公的翻訳(私は大学発行の卒業証明書英語版を提出)

最後に費用についての確認画面があるのでこちらにチェックを付けて「Je confirme le dépôt du dossier」をクリック。

支払方法についての注意事項が表示されます(支払いはクレジットカード決済か銀行振り込みで可能)。この申請直後に申請手数料20ユーロの支払いに進みます。OKをクリック。

支払い方法を選択します(今回はCB=クレジットカード決済を選択)。

その後支払いURLが記載されたメールが届くので受領後URLへアクセスします。

申請した際と同じように申請番号と生年月日を入力し「Valider」をクリック。

「lien paiement en ligne」をクリック。

参照番号の下に記載されている「Valider vos rérérences」を押すとその下の枠が自動で記載されるのでFactureの記載事項と相違ないことを確認し、カードマークをクリック。

その後クレジットカード情報を記入する画面が表示されるので必要事項を記載して支払い。完了後上記のような画面が表示されるので「Continuer」をクリック。

上記の画面が表示されたら一連の手続きは完了です。別途支払い完了メールも届きます。

ここまで完了したら書類審査が完了するまで一旦待機となります。書類の審査状況はLe centre ENIC-NARIC Franceのページから確認できます(「Suivre mon dossier」のタブをクリック)。

2025年1月8日時点では上記の手続きまで行いました。フランスで就活する未来はだいぶ前から見えていたのに今の今まで手続きしなかったの後悔しています…。皆さんは私の二の舞にならないようになるべく早く手続きすることをお勧めします!

この後は書類審査が通った場合追加手数料100ユーロを支払い、有効化された学位を受け取るという流れになります。これらのプロセスについては進展があり次第追記したいと思います😊

追記①

2025年1月13日、ENIC NARICから有効化可能(recevable)と言う内容と、追加手数料100ユーロの支払いリンクが付いたメールが届きました。なんと!最初の申請から1週間も経ってません😮これは予想外😆20ユーロの手数料を支払った時と同じ手順で100ユーロの支払いをし、支払い完了メールを受領しました。

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