先日お伝えした通り、フランスでの就職活動を経て先週から仕事をしてます(就活の諸々についてはこちらの記事をご覧ください😊)。今回は仕事のあれこれについて感じたままにまとめてみようと思います。
雇用形態、待遇など
現在働いているスーパーマーケットについてザックリまとめると以下の通り
- 大手ディスカウントスーパーマーケット
- レオパパの家から自転車で10分の距離
- 従業員は10人くらい
- 月曜日~土曜日8時半から20時で営業(日曜、祝日休み)
食品だけでなく、清掃用品や生理用品などの日用品から衣類、雑貨、果てには家電(ドライヤーやIHコンロなど)もあるようなお店です。
現在の私の雇用形態はこんな感じです。
- 2か月の試用期間ありのCDI(無期限契約)
- 週30時間勤務(基本的には1日6時間×5日)
- 朝番は7時から、夜は20時15分まで
- 週休2日(日曜+1日)
- 月給約1700ユーロ、手取りだと1300~1400ユーロくらいになる見込み
CDIとは(Contrat de travail à Durée Indéterminé)の略称で、雇用期限のない労働契約のことを差します。雇用期限付きの契約はCDD(Contrat de travail à Durée Déterminé)と呼ばれます。労働者の権利が強いフランスではCDIで契約した社員を解雇するのが難しいらしく、まずはCDDから、と言うような求人も多いです。他方でCDDの場合は労働者側が経済的に不安定な状況に置かれることから契約終了時にPrimeと呼ばれる手当が支給されます。また失業保険もCDIの契約だと自己都合で退職した場合失業手当が出ないらしく、失業手当が保障されているCDDの方が都合がいい、というような人もいるとか。ちなみに2か月間の試用期間中は雇用主、労働者双方から契約解除を申し出ることが可能です。
フランスでのフルタイム勤務は週35時間(7時間×5日)です。私の場合は週30時間の契約なので時短勤務のような感じになります。これは会社の方針らしいです。1日6時間勤務ですが、そのうちの20分くらいは有給の休憩時間です。無給の休憩がないので拘束時間が6時間だけで済むのがありがたい😊一日の中で仕事以外のこともいろいろできるのが嬉しいです。
2025年1月時点、最低賃金で週30時間の時短勤務をした場合の手取り額は月1200ユーロとなります。私の場合は最低賃金よりちょっとだけ上乗せされているような感覚です。ちなみにフランスでは最低賃金はフランス全土で同じ金額が適応されています。
福利厚生などはこんな感じです。
- 有給年間25日(5週間)
- 病休あり
- Ticket Restaurant支給
- Mutuel(プラスアルファの医療保険制度)
さすがバカンス大国フランス、有給が多いですね。でも祝日の日数は実は日本と比べると少ないです(日本の祝日:16日、フランスの祝日:11日、アルザス・ロレーヌ地方だけ+2日の13日)。
フランスでは有給で病休が取れます。ただし病休を取るには病院に行って証明書をもらって提出する必要があります。実は新卒で働くまで日本では病休が一般的じゃないことを知らなくて、逆に自分が働いてた会社で病休がないことを知った時はちょっとショックを受けました😆有給使い切った後にインフルエンザとかになったらどうするの?ん?そもそも有給は使い切らない?なんじゃそれ?みたいな感じであんまり腑に落ちず😅有給あるのに使わない日本の働き方、フランス人には到底理解してもらえない文化だと思います…😆
Ticket Restaurantとは、もともとオフィスに食堂がない労働者への福利厚生の一環として、レストランやパン屋さんなどで昼食を割安で食べられるように始まった制度です。会社と労働者が半々で出資し、昼食の支払いに使えるチケットを会社が提供します。例えば労働者が50ユーロ支払い(給料から天引きされる)、企業が同じく50ユーロ支払うことで労働者は100ユーロ分のTicket Restaurantをもらえます。コロナ以来、Ticket Restaurantの使用範囲が拡大され、スーパーマーケットでの食品の購入にもこのTicket Restaurantが使えるようになりました。外食が少ない私にとっては嬉しい変更😊Ticket Restaurantについては使用方法や対象商品など色々決まりがあるのでまた別途まとめようと思います。
Mutuelとはプラスアルファの医療保険制度のことを差します。フランスは医療費の70%は医療保険でカバーされます(ちなみに私が住むアルザス・ロレーヌ地方はなんと90%とのこと。それだけ給料から多く保険料が引かれるのだと思いますが😅)。Mutuelは残りの30%をカバーするための制度です。Mutuelに加入する場合は会社が50~100%負担してくれます(100%の場合は労働者側の追加の支払いはなく加入手続きをするだけ)。Mutuelは会社が提供するものに加入してもいいし、個人で加入しても良いです。
仕事内容
私の仕事内容はざっくりこんな感じです。
- レジ打ち
- 品出し
- 店内の清掃
- パンの焼成
レジ打ち

まずはレジ打ちから覚えてほしいとのことで、仕事始めの今はレジにいることが多いです。レジ打ちは日本と同じような感じですが、こちらはかごに入れるのではなく写真のようなベルトコンベヤーのような動くベルトの上にお客さんが自分で商品を置き(日本だとコストコがこの形式な気がします)、それを私がレジ打ちしてお客さんが自分で袋詰めしてお会計、という流れになります。

レジ打ちした商品はこの気持ちばかりの(笑)スペースに置きます。かごがないのでその場で袋詰めするしかなく、商品を通し終わってもお客さんが袋詰めし終わるまで次のお客さんの会計ができません😅そんなわけでフランスではレジに並ぶと時間帯によってはかなり待ちます。また私が働いているスーパーマーケットでは果物や野菜は量り売りのものもあります。この場合、レジで私がそれぞれの商品に対応する番号を打ち、商品の重さや個数を量って(レジのスキャンする部分が量りになっている)お会計、となります。なので今レジ打ちしながら番号を覚えてるところです😊あとなぜかバーコードをスキャンしても登録されていない商品がけっこうあり、その場合はバーコードの番号や商品名で検索をかけてがんばって探してます。
品出し

私が勤務しているスーパーマーケットでは品出しは基本段ボール単位です。商品はこんな感じで置かれています。なので品出しの感覚としては業務スーパーの陳列に近いかなと思います。

缶詰や飲み物の場合かなり重量があるので筋トレになってる気がします😆ちなみにまだこの運搬機はうまく扱えません😅
店内の清掃

清掃は大きなモップや清掃用のマシンを使います。このマシンもまだうまく操れなくて店内デビューはしてません😅またパンを置いている棚や仕切り板も食洗機で洗います。
パンの焼成

私が勤務しているスーパーマーケットではバックヤードにオーブンがあり、そこでパンを焼いて店頭に出しています。種類はバゲットやハード系のパン、クロワッサンなどの菓子パン系などがあります。バゲットやハード系のパンは8割方焼かれて冷凍された状態のもの、クロワッサンなどの菓子パン系は成形まで終わって冷凍された状態のものがストックされています。これらを天板に並べてオーブンで焼き、バゲットなどは袋に入れて品出し、それ以外は写真のように直接陳列棚に並べています。朝番の時は開店前までに一通りのパンを焼いて準備し、日中も売れ具合を見て2回ほど追加でパンを焼きます。
その他こまごまとしたタスクはあるものの、メインタスクは上記のような感じです。長々と書きましたが、仕事内容については日本の小売店の場合とさほど違いはないかなぁと思います。
働いてみて気づいたこと
まず感じたことはスーパーマーケットの利用者にはっきりとした違いがあると言うことです。私が勤務しているスーパーマーケットはディスカウントスーパーマーケットで、フランスの数あるスーパーマーケットの中でも価格が安いスーパーの分類になります。他方で私が普段買い物をしているBIOのスーパーマーケット(フランスではオーガニックのことをBIO=ビオと言います)は価格帯で言うと一般的なスーパーマーケットより高くなります。
私が勤務しているディスカウントスーパーマーケットの利用者層の傾向
- 移民系の人(例:ヒジャブを被っている女性、黒人の人)
- フランス語が第一言語じゃない人(家族間で別の言語で話している)
- いわゆるブルーカラーの人(作業着や蛍光色のビブスを付けている)
- ホームレスらしき人
- 若者、お年寄り
もちろん上記に当てはまらないような人も多いですが、全体的に収入が相対的に低いと思われる利用者が多いです。
他方私が普段買い物をしているBIOのスーパーマーケットは
- ’フランス系’フランス人(白人系でフランス語が第一言語の人)
- 子供連れのお父さんやお母さん
- 自転車で買い物に来る人(エコ意識がある)
私は一利用者としてしかお店に行かず、毎日そこに張り付いているわけではないのでちょっと偏見も入っていると思いますが、全体的に落ち着いた、余裕がある雰囲気を持った人が多い印象です。
日本でも東京の一部の高級スーパーマーケットには富裕層が多いと言う現象はあると思いますが、スーパーマーケットでこれだけのヒエラルキーが見えるようなことはない気がします。
次に驚いたのは製品を開けたり、壊したりする例がたくさんあると言うことです。

上記の場合はなぜか製品の中身がありません…。これ以外にもお菓子の箱が空いていて中身が食べられたような状態のものが放置されていたり、おもちゃの箱が開けられていたりと言うのが日常茶飯事です。あと商品が本来あるべき場所じゃないところに放置されていることもしばしば。見つけたら戻すようにしているのですが数が多すぎて処理しきれません😅最悪なのは冷蔵商品を常温の棚に放置すること。これをされると廃棄になってしまいます。こんな風に困った例が多いのですが、反対にレジで食べたものを申告してくれる人も多いです。例えば空っぽのパンの袋を渡されて「子供がクロワッサン1個食べちゃったの」と言ってくるお母さんとか、空のコーラの缶がベルトコンベヤーで流れてきて「これさっき飲んだから」と言ってくるお兄ちゃんとか(フランスでは会計前の商品を食べるのは必ずしもタブーではないようです。個人的にはそうと分かっていても自分の常識が引っかかって実行には移せませんが😆)。なんというか、とっても自由です。
あと個人的には廃棄が多いのが悲しいです。店内で焼いているパン、菓子パン類は当日の終業時間後に捨てないといけないです。他にも、食品以外の電化製品や衣類、雑貨類などはすべて2か月間の保証期間があり、この期間内ならどんな理由でも100%払い戻し可能と言う方針なので返品が結構多いです。そうなると返品された商品も廃棄になります。どれも基本安いので低品質なものも多いのかなと思います。気軽に買って、使えなくなったらすぐ捨てる、まさに今の資本主義社会のモデルで、モノを大事にしない風潮があるのが心が痛いです。
まとめ
働いている側から見たフランスのスーパーマーケット文化、いかがだったでしょうか?びっくりすること、もやっとすること、いろいろありますが現時点では総じて楽しくやっています。ノーストレスポイントとしては
- 同僚みんな親切、分からないことがあっても嫌な顔しないで教えてくれる
- お客さんも商品の扱いが雑な人はいるけど基本みんないい人、挨拶してくれるしレジで待ってもそんなに文句言わない
- 終業時間が近くなるとお客さんいるうちからどんどん店内片付けちゃってOK、誰も気にしない😆
みたいな感じです。時短勤務だからそんなに稼げないけど、その分仕事以外のことに費やす時間もあるしいいバランスだなと思います。フランス語を話す機会も増えたのでこれから今まで以上にモチベーション高くフランス語能力向上に努められそうです。またこれから働いていく中で違う発見や気持ちの変化もあると思うのでその時は続編を書きたいなと思います😊
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