BIOの食材の価格調査 ~野菜・果物編~

エシカルな生き方

フランスに来てから食品はほぼ100%BIOのものを買っています。自分にとってはそれが当たり前にまりつつあるのですが、ふとBIOではない食品に比べてぶっちゃけどれだけ高いのか気になったので、今回はフランスでBIOとBIOではない野菜、果物との間でどれくらいの価格の違いがあるのかについてまとめてみます。

そもそもBIO(ビオ)とは?

フランスで良く耳にする「BIO」とは、日本で言うオーガニックに該当するような概念です。BIOの食品として認められるためには、ざっくり

  • 化学合成品不使用(農薬、化学肥料、除草剤など)
  • 遺伝子組み換え作物不使用
  • アニマルウェルフェアの尊重(輸送、飼育環境、屠殺など)
  • 加工食品については少なくとも95%以上の材料がBIOの食材であること

といった基準を満たす必要があります。※参考:Labels bios : comment vous y retrouver ?

いざ価格調査!

今回は以下のような条件で調べてみました。

  • BIOの野菜、果物は普段買い物をしているBiocoopのもの
  • BIOではない野菜、果物は自身が勤めているディスカウントスーパーマーケットのもの
  • 2025年2月14日時点での価格
  • いずれも冷凍ではない生の状態のもの
  • どちらのスーパーマーケットにもあるような一般的な野菜、果物

この調査はたった2つのスーパーマーケット間での比較でしかないので単なる一例に過ぎないのですが、フランスにおけるBIOの農作物の価格について少しアイデアを共有できたら嬉しいです😊

価格一覧

上記の条件で確認した価格一覧はこちら!

品目Biocoop(€)ディスカウントスーパー(€)
にんじんばら売り:1.75€/kg・フランス産ばら売り:1.79€/kg・フランス産
1.5㎏袋入り(最安値):1.33€/kg・フランス産
じゃがいもばら売り:2~2.45€/kg・フランス産ばら売り:2.29€/kg・フランス産
5㎏袋入り(最安値):0.79€/kg・フランス産
玉ねぎばら売り:2.9€/kg・フランス産ばら売り:1.89€/kg・フランス産
1.5㎏袋入り(最安値):1.2€/kg・フランス産
ネギばら売り:3.5€/kg・フランス産1㎏束売り:1.99€/kg・フランス産
ブロッコリーばら売り:6.5€/kg・フランス産個売り:1.29€/個・スペイン産(≒2.5€/kg)
キャベツばら売り:2.05€/kg・フランス産個売り:1.99€/個・フランス産(≒1.5€/kg)
カリフラワー個売り:3.5€/個・フランス産個売り:2.99€/個・フランス産
にんにくばら売り:15€/kg・フランス産ばら売り:7.99€/kg・スペイン産
マッシュルームばら売り:9.95€/kg・フランス産200g袋入り:4.95€/kg・ポーランド産
アボカド個売り:1.95€/個・スペイン産個売り:1.19€/個・コロンビア産
3個袋入り最安値:0.76€/個・イスラエル産
バターナッツカボチャばら売り:2.15€/kg・フランス産個売り:1.79€/個・フランス産(≒1.3€/kg)
ホウレンソウばら売り:6.5€/kg・フランス産400g袋入り:4.95€/kg・イタリア産
フリルレタス個売り:1.5€/個・フランス産個売り:1.29€/個・フランス産
りんごばら売り:2.65€/kg・フランス産1㎏袋入り:1.99€/kg・フランス産
洋ナシばら売り:4.5€/kg・フランス産1㎏袋入り:2.45€/kg・ベルギー産
バナナばら売り:1.95€/kgペルー産ばら売り:0.99€/kg・コートジボワール産
BIOばら売り:2.45€/kg・ギアナ産
キウイばら売り:6.5€/kg・フランス産個売り:0.59€/個・フランス産(≒5.9€/kg)
4個袋入り(最安値):0.25€/個・ギリシャ産(≒2.5€/kg)
ズッキーニ販売なし1㎏袋入り:1.59€/kg・スペイン産
トマト販売なしばら売り:1.99~2.95€/kg・モロッコ産、スペイン産
1㎏袋入り(最安値):1.89€/kg・スペイン産
ナス販売なしばら売り:2.99€/kg・スペイン産
パプリカ販売なし500g袋入り:3.98€/kg・スペイン産

比較単位についての補足は以下の通り。

  • ばら売り:量り売りで買うもの →店頭では1㎏当たりの値段が表示されています
  • 個売り:1ついくらというように値段付けされているもの
  • 袋入り、束入り:パッケージされた状態のもの

比較する際にスーパーマーケット間で単位が違う場合はばら売り(1㎏当たり)の値段を目安として記載しました(例:バターナッツカボチャの場合、1個が大体1.5㎏くらいかな~と言う感じで計算しています)。こちらは野菜や果物の個体差もあるのでざっくりとした目安です。

日本円に換算する場合は1ユーロ=160円で計算すればOKです(2025年2月時点のレート)。

比較結果

今回の調査でまず予想外だったのはBIOの方が安い場合もある、と言うことです。にんじんとじゃがいもはBiocoopよりディスカウントスーパーマーケットのばら売りのものの方がわずかに高い価格設定になっていました。他方でディスカウントスーパーマーケットの場合は一口ににんじん、じゃがいもと言ってもばら売りと袋入りのものがあり、袋入りのものはBIOのものより安いです。バナナに関してはディスカウントスーパーマーケットで扱うBIOのものはBiocoopのものより少し高い価格設定になっていました。

また価格差がそれほど大きくないものもいくつかあります:ホウレンソウ、カリフラワー、フリルレタス、りんご、キウイ(フランス産)

その他は大体のものがBIOの食品が非BIOの食品より1.5~2.5倍くらい高い結果となっています。

もうひとつ2つのスーパーマーケットの間で明らかな差があるのは産地の違いです。地産地消、旬を重視しているBiocoopでは海外産のものが少ないです。ナス、トマト、パプリカ、ズッキーニなどの夏野菜に関して販売さえしていません。他方でディスカウントスーパーマーケットの場合はスペインやイタリアなどの近隣国だけでなくモロッコやギリシャ、コロンビアなど様々な国からの輸入品が並んでいます。

最後に、Biocoopはばら売り、個売りの農作物のみなのに対し、ディスカウントスーパーマーケットの場合はパッキングされた農作物も多いです。Biocoopでの買い物は結果的にゴミの削減にもつながります。

まとめ

調査結果、いかがだったでしょうか?BIOの農産物は皆さんの予想より高かったでしょうか、それとも低かったでしょうか?BIOの農作物は農薬や殺虫剤を使わない分、非BIOの農作物に比べて手間がかかり、収穫量も少なくなるので価格が高くなる傾向があります。他方で非BIOの農産物はより手に取りやすい価格ですが、農薬や殺虫剤の使用は結果として地力を弱め、生態系に影響を与えます。また遠い土地で生産された農産物を輸送するとそれだけ二酸化炭素が排出されます。反対にもし地産地消を実践すればその問題を軽減することができます。

また個人的に気になるのは遠くから輸送された野菜や果物がなぜ地元産のものに比べてこれだけ安いのか、と言うことです。生産地の物価や人件費がフランスに比べて安いから、と言うのも理由の一つだと思いますが、輸送費もかかるのになぜこんなに安い価格で提供できるのか?推測に過ぎないのですが広大な土地で大きなトラクターや機械を使って生産する単一な工業的農業を採用しているから、だと思います。この形態の農業が必ずしも悪とは言いませんが、エネルギーを使って機械を動かし、化学製品を使ってできるだけ多くの作物を短期間で栽培するような農業が果たして持続可能なのか、が疑問です。仮にエネルギーの供給が止まったら、仮に農薬が効かない病気が発生したら、それをカバーするのはかなり難しいと思います。それだったら多少高くても地力を生かした生産方法であるBIOの食品を買うことで持続可能な農業をサポートしたい、と個人的には思うのです😊

長くなってしまいましたが、この比較結果を見て、私はBIOの農産物の価格設定は妥当だなと感じます。同時に、この価格設定でBIOの野菜を購入できるフランスで生活できるのも幸運なことだと改めて実感しました。買い物は投票。環境のためにも人間含む生物のためにも、これからも地産地消、BIOの食品を買いたいなと思います😊

おまけに今回比較したそれぞれのスーパーマーケットの切り抜きをご紹介します。こちらはBiocoopの写真。秋は多種多様の旬のカボチャがずらり。Biocoopでの買い物についてはこちらの記事をご参照ください。

こちらはディスカウントスーパーマーケットの野菜コーナー。トマト、ナスなどの野菜はこんな風にネット上の袋に入っていることが多いです。一部ばら売りのズッキーニが紛れ込んでますね…(笑)

こちらは5㎏入りのじゃがいも。レジでの会計は一苦労です😆

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