今年の1月中旬からフランスのスーパーマーケット店員として働いています。
働き始めてから約2か月が経った今、改めて気づいたこと、思うことについてまとめてみようと思います。
楽しいこと、性に合ってると思うこと
仕事の内容が自分の理解が及ぶ範囲であること:なんのこっちゃって感じですが、実は前職はシステムエンジニアの仕事をしていて、その時は毎日考えても理解できないことだらけで日々焦りを感じながら過ごしていました。今の仕事は抽象的な内容が少ないと言うか、品出し、レジなど目の前にあることをこなしていくのでやるべきことが見えやすく、気楽に仕事ができます。人によってはやることが決まっていると単純作業でつまらない、と言う人もいるかと思いますが、私の場合は同じ品出しでもお客さんの入り具合、在庫状況で日々対応が変わるので飽きずに続けられます。また仕事をやる中で「こうやったら効率よくできるなぁ」と言う風にやりながらコツを掴んでいくのも自分の章にあっている気がします。
食品に関わる仕事であること:料理すること、食べることが好きなので前々から食品に関わる仕事をしたら楽しいだろうなぁと思っていました。他方でレストランやカフェなどの飲食店の場合、食事の時間帯が仕事の時間になってしまうので家族とご飯を食べる機会が減ってしまうのがネックであまり魅力を感じませんでした。スーパーマーケットの場合は品出しや店内でのパンの準備を通じて食品に触れる機会があり、大好きな食品に囲まれて仕事ができるのが楽しいです。
適度に運動ができること:フランスではレジ打ちは座ってもできますが常に店内を歩き回っているからか一日の歩数が1万歩~2万歩くらいになります。品出しではそれなりに重量があるものを持ち上げたりもするのでこれまたいい運動になります😁一日パソコンで作業するデスクワークより少しは健康的かな?
コミュニケーションの機会が多いこと:日本のサービス業の場合、文化的に会話が一方通行になってしまう印象があります(「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」など店員からの声掛けが多い)。フランスでは例えばレジでまず双方から「Bonjour(こんにちは)」や「Bonsoir(こんばんは)」と言った挨拶をして、会計が終わった後はこれまたお互いに「Merci, bonne journée!(ありがとう、良い一日を」と言うような挨拶をします。この相互的なコミュニケーションがとっても好きです😊また「この商品はどこにあるの?」と言うような質問に対応するのも、外国人の私にとってはフランス語を使う良い機会になるのでモチベーションになります。同僚も良い人ばかりで人間関係のストレスがないのもありがたいポイントです。
大変なこと、悲しいなと思うこと
食品を捨てないといけないこと:「食べ物を粗末にしてはいけない」と口酸っぱく言われた記憶はないのですが、物心ついたころから食べ物を残す、捨てるのにものすごく抵抗があります。食品に関わる仕事上、廃棄が出るのは理解していたつもりですが、やっぱり毎日捨てる食品の量を目の当たりにするとちょっとつらい気持ちになります。店内で焼いているパンは売れ残ったものはすべて廃棄になるので毎日業務用のゴミ袋1つ、多いと2つ分の廃棄が出ます。野菜や肉類、乳製品などの生鮮食品も賞味期限切れのものは廃棄になります。バックヤードに廃棄用の大きな風呂桶のようなサイズのプラスチックケースに捨てるのですが1~2日で満杯に。同僚にそれとなく廃棄食材をどうするのか聞いたところ、「動物のえさになる」と言う答えだったのですが、肉製品もあるし、割れたガラスや開いてしまった洗剤や猫砂なども混ざっているのでどう考えても食用には活用できそうもない…。よくてメタンガスとして利用できるかなと言う感じですが、果たしてそこまでしてるのかな。社内規約で廃棄の食品を従業員が持ち帰ることもできないので心を無にしてまだ食べられる食品を捨てています。
大量消費を促すサイクルがあること:私が勤めているスーパーマーケットでは曜日ごとに期間限定の商品の特設棚を準備します。食品だけでなく電化製品や衣類、キッチン雑貨、園芸用品、工具など、時期によって毎週新しい商品が各店舗に届き、これらを店頭に並べるのですが、この「期間限定」のシステムによって本来必要ないようなものでも買ってしまうので、次で述べる結局ゴミになってしまう商品が多いように感じます。
ゴミ、無駄が多いこと:私が勤めているスーパーマーケットではちょっとびっくりなことに商品がどんな状態でも購入から2か月以内なら100%返品・交換を受け付けています。そのためサイズが合わなかった衣類、使えなかった、あるいは不要になった電化製品などの返品の問い合わせがほぼ毎日あります。商品がまだ開封されていない状態なら店頭に再度並べることもできますが、たいていの商品はそのまま廃棄になります。全体的に安いものが多いので必ずしも品質が良いものばかりではないのかなと思います。また店内ではあちこちに買い物客が途中で購入を止めて全く関係ない場所に放置した商品があります。食品に関しては常温保存ができるものなら正しい棚に返せば問題ないですが、生鮮食品を常温の棚に置かれてしまうこともよくあり、この場合も廃棄になってしまいます。
あちこちちょっとした負傷が多いこと:これは自分の不注意もありますが😅、とにかくタスクが多く、限られた時間の中でこれらをこなさないといけないのでシャカシャカ動いていると手を切ったりどこかに体をぶつけたりちょっとした負傷がけっこうな頻度で起こります。以下自分に起きたあれやこれやです。
- 鋭利なプラスチックパッケージで指を切る(赤切れ程度)
- お湯や鉄板など熱いものに触れたせいか手が恐ろしく乾燥(手袋をすることで解決)
- レジで2Lのペットボトルを足に落として地味に痛い(安全靴を履くことで解決)
- 右手親指の腹部分に金網の先が刺さる(全治10日)
- 指に細かーいガラスの破片が擦って若干切れた
- 爪の間にダンボールが入ってしまい爪の先がちょっと深爪状態に(徐々に復活)
- 壁と店内で焼いたパンを運ぶ移動ラックの間に左手を挟み手の甲若干打撲
- 品出し中に脚の脛を棚に強打 ちょっと青あざ
その他気づいたことなど
明日できることは明日やる、残業しない:たとえ品出しがすべて終わっていなくてあと30分くらいあれば終わりそう、というような状況でも時間になったら今日の仕事は終わり。お店を閉める際の書類関係も時間がないときは最低限当日やらないといけないことだけやったら帰ります。店長のような管理職でも自分の勤務時間が終わったら基本的には帰ります。残業の文化があまりないフランスならではの働き方です。
人気商品はアルコール、スナック菓子、Plat cuisiné(お惣菜):美食の国のイメージがあるフランスですが、私が勤めているスーパーマーケットで良く売れる商品はアルコール、スナック菓子、Plat cuisiné(焼くだけのピザ、サンドイッチ、サラダなどのチルド食品、温めて食べるキッシュ、フライドポテトなどの冷凍食品)です。加えてチーズなどの乳製品、ハムやソーセージなどの加工肉、エナジードリンクなども売れ筋商品です。フランスでも手軽に食べられるもの、シンプルにおいしいと感じるもの(炭水化物+脂質)が人気の傾向があるんだなぁと思います。
まとめ
フランスのディスカウントスーパーマーケットの仕事は人間味があってダイナミックで自分が楽しく働ける職場だった一方で、廃棄やゴミが多かったのが精神的に少しストレスでした。と、ここまでまとめたのですが、実は勤務開始から2か月弱にして転職が決まったので😁今日が勤務最終日でした。転職先についてはまた別途まとめます😊
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